あらすじ
むかしむかし、やまおくに、じいさまがひとりでくらしていました。ある年の秋のはじめ、畑に豆の枝を八束ほしました。ところが、不思議なことに、毎晩、一束ごとに、減っていきました。「豆泥棒じゃ!」泥棒を捕まえようと、待ち構えていると、キツネが出てきて、じいさまはあわててしがみつきました。豆泥棒をしたキツネの理由を聞いた優しいじいさまは、もう一束譲ってあげました。次の日、キツネは、そんな優しいじいさまにとっておきのお礼をしようと、じいさまを訪ねました。
みどころ
民話作家として著名な望月新三郎さん作の昔話を、絵本作家 田頭よしたかさんが、絵をつけてくれました。「鶴の恩返し」を筆頭に、助けた動物が恩返しをするという展開は、昔話にもいくつかありますが、このお話もそんな中のひとつ。キツネを叱りながらも、もう一束あげるおじいさんの優しさは、こども心にも響きますね。ストーリーの中にたくさんの教訓が詰まっていて、それでいて押しつけがましくなく、すっと肌で感じられる昔話です。「ハァー、オッポコ ポンの ポン」っと、太鼓を叩くのが好きな4歳〜6歳のお子さんにおすすめの絵本です。