作家名 | 望月新三郎(モチヅキシンザブロウ) |
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WEBページ | http://homepage2.nifty.com/bunagaya/mokuji.htm |
作家紹介
1931年神奈川県川崎市に生まれ。戦災をうけ東京に移住。出版社を創立、「民話の手帳」の発売元となる。その後創作活動に入り、ノンフィクション「よみがえった水仙」(岩崎書店)をかわきりに、絵本「ねずみ にわとり ねこ いたち」(ポプラ社)、「あたまに柿の木」(フレーベル館)などを刊行。共著に「学校の怪談」(オプラ社)、「怪談レストラン」(童心社)「怪異百物語」(ポプラ社)など。日本民話の会運営委員。「民話の語り 九条の会」代表。掲載作品
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うたう たいこ
むかしむかし、やまおくに、じいさまがひとりでくらしていました。ある年の秋のはじめ、畑に豆の枝を八束ほしました。ところが、不思議なことに、毎晩、一束ごとに、減っていきました。「豆泥棒じゃ!」泥棒を捕まえようと、待ち構えていると、キツネが出てきて、じいさまはあわててしがみつきました。豆泥棒をしたキツネの理由を聞いた優しいじいさまは、もう一束譲ってあげました。次の日、キツネは、そんな優しいじいさまにとっておきのお礼をしようと、じいさまを訪ねました。